京都とっておきの紅葉スポット

秋の嵐山

嵐山は春も美しいけれど、秋は秋でまた違った表情を見せてくれるので面白い所です。

嵐山の代名詞『渡月橋』から見える、
燃えるような紅葉で埋め尽くされた山々は絶景の一言でしょう。
ぶらぶら歩いているだけでも充分に楽しいのですが、
せっかくなので竹林の道、そして天竜寺を回られるといいでしょう。
まだ残暑が残るこの時期、爽やかな風が通り抜ける竹林の木陰は
貴方の一時の清涼剤となってくれるはずです。

そして、秋の天竜寺の見所は何と言っても庭園でしょう。
計算されつくした素晴らしい構造は、洗練された池やお庭にとどまらず
後ろにたたずむ嵐山の燃えるような山々をも、
その美しいお庭の背景として取り入れているのです。
道を歩いていると色々なお店が貴方の目に入ってくるでしょう。
老舗和菓子屋が軒を連ね、多くの観光客の舌を楽しませています。

このような所でお茶を飲んで一服するのもまた、よき思い出になることでしょう。
他にも、うなぎ屋、豆腐屋、料亭 等々。
目だけではなく、お腹も心も満たしてくれること間違いなしです。
一通り堪能なさったのなら、ご自身、ご家族、ご友人へのお土産にと
是非、京都の伝統的な工芸品を選んでいって下さい。
ちりめん、扇子、竹細工
他にも歩いていると様々な素敵な物に出会えるでしょう。
そしてまたの機会、違った嵐山の表情を見にいらして下さい。

紅葉の香り

現在ほど観光ブームでなかったころの平日ならば、
観光地といえどもひっそりとしていたもので、
「遊龍の松」で有名な西国三十三所観音霊場の第20番札所【善峯寺】なども
当時は紅葉の季節でも人影はまばらであった。

いにしえの都、長岡京。
阪急長岡天神駅から善峯寺まではちょっとしたハイキングコースであり
若かりし頃の僕らの足ならば1時間半足らずの散策で到着したものだ。
にぎわいのある長岡天神駅前商店街を抜け、旧街道を通り、筍の産地であるこの地域は
竹林が随所に見られ、山道に差し掛かると田舎の原風景が広がり
途中に俳優の松方弘樹さんの邸宅があったりして、
あーだこーだとおしゃべりしているうちに善峯寺に着いてしまう。

善峯寺の紅葉の様は山寺であるがゆえに
伽藍と色づきのコントラストが美しく、
何かのCMにもなったほどである。


そんな境内を回遊していると山あいの谷全体が紅や黄色に染まっている
ハッと息が止まるような景色が目に飛び込んできた。

「うわー、撮ろ撮ろ」とセルフタイマーを使い二人で風景におさまった。
(使い捨てカメラもこの世に登場していない時代である)

ふと香りがする、何の香り?金木犀の花が咲いていたのだ。
甘くやさしい香り、紅葉の木々から薫っているように思えた。

金木犀の花言葉のひとつ「初恋」。

そう僕の初恋は金木犀の香り。
今もこの香りに出会うとふと思う。
あの子もどこかで秋の彩りを眺めているのだろうか、
金木犀の香りがしているから・・・

■善峯寺アクセス
電車・バスJR向日町駅・阪急東向日駅(阪急京都線)から阪急バス66番(善峯寺行き)30分。
終点「善峯寺」下車、徒歩8分。
タクシー利用JR向日町駅・阪急東向日駅・阪急長岡天神駅から善峯寺まで約20分、約2000円。
徒歩JR向日町駅・阪急東向日駅・阪急長岡天神駅から善峯寺まで約2時間。

「乗り鉄」ならではの紅葉スポット

京都に住んでいると、観光の方が多いのは
やっぱり桜と紅葉の時期だなぁと感じます。

いずれの時期も渋滞があちこちに発生し、普段の足での移動もままならないほどで、
へたすると歩いたほうが早いんちゃうかなって思う事もあります。

そこで、私のお気に入りの紅葉スポット!
路線拡大でわりと便利になってきている地下鉄を利用した
「乗り鉄紅葉スポット」をご紹介したいと思います。

起点となるのは「叡山電車出町柳駅」
出町柳は今出川通と川端通が交わる交差点のほん北にあり、
賀茂川と高野川が合流して鴨川となる三角州地点。
川に飛び石が並べてあり、鴨川を歩いて渡れるので家族連れに人気の場所でもあります。

交通手段は…
①京都駅 ⇒ 徒歩・バス ⇒ 「七条京阪」 ⇒ 京阪電車(地下) ⇒
 「出町柳」 ⇒ 徒歩 ⇒ 「叡山出町柳」
②京都駅 ⇒ 地下鉄烏丸線 ⇒ 「今出川駅」 ⇒ 徒歩・バス ⇒
 「叡山出町柳」
などなど。

その「京福出町柳駅」から
昭和レトロな電車で「貴船」「鞍馬」方面に向います。
できれば先頭車両に乗り込み、ワンマンならではの運行、味のある駅舎の数々、
急勾配に伸びるレールも見ていてあきません。

そうこうしているうちに車内アナウンスと共に減速して通過するのが
「紅葉のトンネル」
単線運行両側の紅葉が作りだす自然のトンネルは、特に色鮮やかな紅葉が多く絶景。
歩いて近寄る事が出来ない、
まさに「乗り鉄」ならではの紅葉スポットです。

執着駅となる京都最強パワースポット、鞍馬山の秋を楽しんだ帰りは
横上方向がガラス張りのパノラマ車両に時間を合わせ、
今一度紅葉のトンネルを満喫されることをおすすめします。

おとなの遠足(笑)

まず向かうのは大徳寺にある高桐院。
ここでは有料ですがお抹茶とお菓子を頂きながら
ゆったりと紅葉と庭園が観賞出来ます!

あまりにも心地よくてずっとここに居ようかと思ってしまいますが
遠足なのでそうは行きません!(笑)

高桐院を北へ今宮通りを西へ今宮千本から鷹峯街道を上がって行き
20分ほど歩くと源光庵と言うお寺に到着。

本堂には丸い「悟りの窓」と四角い「迷いの窓」があります。
どちらもまるで美しい絵画を観ている様ですが
それぞれに仏意がこめられているそうです。

特に紅葉の季節は美しい!
このお寺にはもうひとつ血天井という有名なものがあります。
近くにある光悦寺も有名な紅葉スポットです。

源光庵から西に数百メートルほど歩いた千束の坂を下り左折、
紙屋川沿いの自然豊かなほそ道を5分ほど歩くと右手に有るのが吟松寺!
こちらも紅葉が綺麗です。

さらに5分ほど直進すると、しょうざんリゾート京都があります。
ここは三万五千坪の広大な美しい庭園を含むリゾート施設で、
特にこの時期は紅葉が美しく、自然の景観にとけ込むように、
広大な庭園に点在する屋敷や茶室。
日本の粋や贅をこらした現在では貴重な建造物を移築、
再生した八つの館は、
京料理を楽しむ料亭や京町屋のお食事処としても人気あり!

徒歩圏内で街なかにある大徳寺から自然豊かでくつろげる
穴場のスポットまで行くことのできる
私の地元のオススメスポットなので是非行ってみて下さい。

大徳寺 高桐院アクセス 市バス(1、205、206)「大徳寺」「建勲神社前」下車、徒歩約5分
地下鉄「北大路駅」下車、徒歩15分
鷹峯源光庵アクセス 地下鉄「北大路駅」下車、市バス北1系統に乗換(約17分)「鷹峯源光庵前」下車徒歩約1分
しょうざんリゾート京都 地下鉄北大路駅より市バス北1系統「北木ノ畑町」下車徒歩3分
大型無料駐車場有
HPアドレス http://www.shozan.co.jp/

コイコイ

紅葉狩りについて書くように言われ、悩んでいる。
思い出せないのだ。紅葉狩りをしたことを。

御存じのように京都には紅葉の名所が山ほどある。
嵐山、高雄に貴船、清水寺に永観堂。醍醐や粟生の光明寺も捨て難い。
しかし、どの地の紅葉も最近見た覚えがない。
仕事で近くに寄っているはずなのに、記憶がない。

紅葉を追い求めた思い出・・・といえば近々では先の盆の日。
会社員時代の友人とやった花札に尽きる。

塩を肴にコイコイしつつ、遅刻野郎を待つ。
酒代を賭けての一戦だが(通報せんよーに!)、
遅刻野郎が来たら終わりのサドンデス方式。
小さな役で早上がりを狙うが鉄則だ。
“月見で一杯”“花見で一杯”を狙うが、
なかなか菊の花(杯)は咲かず、青い短冊が並ぶ。

こういうとき手持ちの平札を握りしめる。
紅葉は平札2枚と青タン1枚、シカ1枚だ。
まずシカと1枚の平札が消える。
あとは場に 紅葉の青タンが出ればよい。
出ない、出ない・・・いずれ出る・・・手札を確認した瞬間!

阿呆が来た。
電車に乗り遅れ、年に1回の飲み会に遅刻した阿呆がやっときた。
私が勝つ寸前に邪魔をした・・・ノーサイド・・・。

思うに、私は近頃、紅葉を見ていない。
気忙しく働くことで安心感を得る、
そういうところが私にはあるのだろう。

紅葉の中で仕事をしても、この目に紅葉が映っていても、
私はやはり紅葉と出会ってはいない。

美しい紅葉に出会うには、ゆとりが必要なのだ。
キレイだなと感じる、紅く染まる葉色の変化を愉しく想う、
そんな遊びがないと、見えても見えない、聴こえても聴こえない、
そんな自分になってしまう。

あぁ、これからは忙しいときにこそ、一息、深呼吸してみよう。
そうすれば、今度こそ紅葉の青タンが手に入るかもしれない。